2017年、夏。
暑いです。まだまだ暑くなりそうな予感のする7月3日。
水分と塩分はこまめにとって、熱中症にはお気をつけくださいませ。
その暑い夏に旬を向かえる野菜に「茄子」があります。
福井には伝統野菜の茄子に「妙金なす・新保なす・吉川なす」の
3種類があるのをご存知でしょうか?
今回はその中で1000年以上の歴史を持ち、一説には京都の賀茂なすの
ルーツとも言われている鯖江市吉川地区で生産されている吉川なすについてです。
丸々とした吉川なす
7月のお品書き「茄子田楽と合鴨ロース」で
吉川ナスを使用しているのですが、果肉がギュッと締まって
丸々としており、素揚げしても型崩れしにくく、田楽に最適な茄子です。
合鴨ロースの奥に輪切りにして田楽にした吉川なす
この吉川なすは皮が薄いため傷つきやすいなど栽培が難しく
ひとつの苗から採れる収穫量も少ないので
一時は生産農家が一軒だけになっていたそうなのですが
非常に歴史のある伝統野菜を途絶えさせてはいけないと
鯖江市の農家の方々が立ち上がり、伝統野菜の再興に挑んでいるそうです。
現在では年間18000個の出荷が可能になっており
首都圏にも出荷されているそうです。
ただ、他の2種のなすも生産者が少ないというのが現状だそうです。
福井に限らず、生産者、生産数が減っている伝統野菜というのは
知らないだけで数多くあるのではないでしょうか。
スーパーなどで並んでいる野菜はサイズや形
季節も関係なく全国で育てられ一定の価格で買えるものがほとんどです。
こだわった野菜のコーナーも見かけますが、価格がとても違うことがほとんどでしょう。
日常の食卓にかけるお金はできるだけ少なくするのが一般的だと思います。
だからこそ私達料理屋としては
日常では使いづらい食材を日常では味わえない形にして
ご提供することで、より素材の付加価値を高めて
お客様にお店に足を運んで頂けるようにしないといけないのだと
感じる、7月3日であります。